昨年からの恒例となった佐久強歩大会の日。
天候は、荒れ模様の予報。
それでも、レーススタートの夜になるまでは、
まだ天気ももっていた。
ところが、バスで韮崎に向かう途中に雨が降ってきた。
その日は、前日から気温が下がっていて4月にしては、寒い日。
レース中盤の野辺山での気温を考えると、体温を維持するための、
アウターを着ていく必要があった。ところが、そのアウターの選択が
明暗をわけてしまった。
21時のレーススタート当初は、快調に歩を進めていた。
ところが、登りが急になってくるころから、運動量が上がってきて、
汗が出てきた。その汗が発散せず、インナーを濡らしていることに
気づいた。すでに日付は変わって午前2時頃だったと思う。
だんだんと雨は雪に変わり、靴もだんだんと濡れてきていた。
野辺山に辿り着く午前4時ころには、動かないと寒くてしょうがない状態だった。
手先からじょじょに痺れるような感覚が来ているのがわかった。
野辺山のチェックポイントで、スタッフの方達からホットの紅茶をもらい、
火に当たりながらしばし考えた。
野辺山の山道は本当に暗いです。
そして、これだけの雪が降っていると、みんなけっこういっぱいいっぱいな感じで、
前後にヒトがいても、余裕がないムードがあるんですね。
これから先、午前6時までは少なくとも気温は下がり続ける可能性が高い。
あと2時間寒さに耐えて歩ければ、先が見えるはずだと考えました。
2時間を耐えられるかどうかを考えましたが、無理だと判断しました。
歩いていても、全然体温が上がる気配がないんですね。せめて着替えをもっていれば、
あと2時間逃げ切れたかもしれないです。
野辺山では、リタイアバスが待機していないのでさらにそこから30分ほど、
進む必要があります。その間も、続行の可能性を考えましたが、
体の冷えが進むばかりでしたので、あきらめました。
野辺山を越えるということについて、甘く考えていたと思います。
装備が不十分でした。
敗北ムードでバスに乗り込んでしまうと、睡魔が襲ってきます。
この雪のなか、なお歩いているヒトを窓に見ながら、気を抜くと寝てしまう。
バスのなかは満席です笑 おじいちゃんが、スタッフのヒトに謝っています。
「迷惑かけてすいません。」
午前6時前にあっという間に佐久に到着します。
拍子抜けするくらいに、ゴールに簡単に着いてしまいますね。
まじで少しもうれしくないゴールです。
とにかく、寒いので軽トラに乗り込んで帰宅。
台湾土産の漢方をお湯で煎じて飲んで、風呂に入って、寝ますと、
あっという間に15時。
フェイスブックには、完歩したヒトの報告があったり、
いやあ、初めてリタイアしました。
リタイアの気持ちがわかりました。
リタイアするつもりでレースに参加しているヒトはほとんどいないと思います。
前向きにレースに取り組んでいる人ほど、あきらめきれない。
でも、ときに自分からレースを退出する必要があります。
その自分から退出する行為は、レースだけではないと思うんです。
農業を始めて以来、ずっと続けられることに価値を置いてきましたが、
それと同じくらい、辞めることにも価値があるのかもしれないと、
始めて気づきました。そして、自分から辞めるという判断ができることは、
大切なことかもしれないと感じました。
自己弁護するつもりはないのですが、自分で辞めてみて始めて
辞めたヒトの気持ちがわかったんです。
実際、今回の強歩大会でも辞めるやり方を知らなかったんですね。
どうすりゃ辞められるんだっけ!みたいな状況に一旦なりました。
そして、極限の状況なのでよくわからない行動になっちゃいました。
そのとき、気づいたんです。
想定しておくべきことを想定していなかったなと。
安全にゴール出来るパターン。ゴール出来ないパターン。
想定しよう。考えよう。イメージしよう。2013。
前職のボスが言っていた。
調子のいいときは誰でもいい。
明暗を分けるのは、ダメなとき。
失敗したり、ミスをしたとき、どうやって復活するか、
周囲にフォローをするかが、そのヒトの明暗をわける。
だから、失敗したときのことを常に考えろ!!と口を酸っぱくして(いたと思われる)
言われていました。
でも、ほんっとに失敗するときの想定ほどしたくないものはない!!
今でも思います。
そんな佐久強歩大会。完歩することを目標に、連続踏破記録が表彰される
佐久の伝統的なレースです。次回で47回目になるのかな。47年目に是非参加を!
来年は出場したい!という仲間も増えそうなので、気を新たにリベンジします!
これを見たみなさんもぜひ!
がん!がん!がん!
がんもさん!一年ぶりです。アナゴです♪
返信削除強歩お疲れ様でした!
今回は残念ながらの、リタイヤだったんですね。
私はこのコンディションの中、逆に意地になってしまい、ここ3年でのベストタイムを更新し、完歩してしまいました。
一か八か山を張って、気温と雨、雪、対策を過剰に行った結果が、功を奏した感じです。
これは実力と言うより、運だったと思っています。
がんもさんのリタイヤに対する気持ち、良く分かります。自分も一度リタイヤしたことがあり、その時は非常に悩みました。リタイヤしたら、参加した意味がなくなるのではないか?後悔するのではないか?そう考えていたからです。
当時はリタイヤ直前まで言い訳を考えてたのを思い出します。
でも、リタイヤして、翌年また完歩して、思いました。リタイヤした年は、そこがその時の自分のベスト、ゴールだったんだと。
家庭があり、仕事があり、生活がある。その中で、コンディションにより、リタイヤと言う選択をするのは、ある意味必然なんですよね。
そういった意味では、がんもさんの仰られるとおり、想定しているか、してないかは重要なのは同感です。
想定した上で、限界を持ってリタイヤと、想定外のリタイヤでは、全く異質なものになりますよね。
如何に精度良く想定、イメージをして、行動に移し、それを生かすか。
それが結果、成功しても失敗しても、自分にとっての糧に出来る思考になると思いました。
今年は自分もイメージの精度を上げる事に力を入れたいと思います。
来年もまた、強歩がんばりましょう!!!
お疲れ様でした!
アナゴさん!コメントありがとうございます!
返信削除一年前にコメントくださって、覚えていてくださってうれしいです。
なんか懐かしいです。
あの雪の中、完走されたなんて!尊敬します。
あのレースは、天候によってほんとうに厳しいレースに変貌しますね。。。
実際に現場に入る前に、どれくらい考えられたかが結果を左右することが多いですよね。
やってみるまでわからないという部分もありますが、やる前に考えられることも
たくさんあったなと、今回のレースに限らず、いつも感じます。
それをまた思い出させてくれましたね、、、今回の失敗は笑
強歩大会は、それにしても奥の深いレースです。
また来年も挑戦します!80歳で参加されてた方もいましたもんね!
会場を沸かせた中学生のひまわりちゃんはどうなっただろうか!笑 気になります。
また来年もがんばりましょーー!